建設業許可は行政書士に頼まないと取れない?自分で申請する方法と依頼するメリット【2026年最新版】

投稿日:2026/09/06

最終更新日:2026/09/06

「建設業許可は行政書士に頼まないと取得できないのでしょうか?」

「建設業許可は自分で申請できますか?」

「行政書士に依頼すると何が違うのでしょうか?」

建設業許可の取得をご検討されている事業者様から、このようなご質問をいただくことがあります。

結論からいうと、建設業許可は必ず行政書士に依頼しなければならないわけではありません。

申請者自身で必要書類を準備し、建設業許可を申請することも可能です。

一方で、建設業許可は単に申請書へ会社情報を入力して提出すれば取得できるものではありません。

「そもそも許可要件を満たしているのか」

「その要件をどの資料で証明するのか」

という判断が必要になるため、特に新規許可では行政書士へ依頼するメリットが大きい手続きといえます。

この記事では、建設業許可を専門的に取り扱う行政書士法人Deeが、建設業許可を自分で申請する場合と行政書士へ依頼する場合の違いを解説します。

建設業許可は自分でも申請できる

まず大前提として、建設業許可は行政書士に依頼しなくても取得できます。

個人事業主であれば事業主本人、法人であれば法人自身が申請することが可能です。

したがって、

「行政書士に依頼しなければ建設業許可を取得できない」

ということではありません。

社内に建設業許可手続きに詳しい担当者がいる場合や、許可要件が明確で証明資料もすべて揃っている場合には、自社で申請するという選択肢もあります。

問題は、建設業許可の場合、申請書を作る前の要件確認と証明資料の収集が難しいことです。

建設業許可申請が難しい理由

建設業許可を取得するためには、複数の要件をクリアしなければなりません。

代表的なものとして、

  • 常勤役員等に関する経営業務管理の要件
  • 営業所技術者等(旧・専任技術者)の要件
  • 適切な社会保険への加入
  • 誠実性
  • 欠格要件に該当しないこと
  • 財産的基礎・金銭的信用
  • 適切な営業所を設置していること

などがあります。

重要なのは、実際に要件を満たしているだけでは足りず、それを行政庁が確認できる資料によって証明する必要があることです。

ここが建設業許可申請の難しいところです。

特に難しいのが「過去の経験」の証明

建設業許可の新規申請で特に問題になりやすいのが、常勤役員等や営業所技術者等の経験証明です。

例えば常勤役員等について、過去の建設会社での役員経験を使用する場合には、

「本当にその会社の役員だったのか」

「その会社はその期間に建設業を営んでいたのか」

といった点を資料によって証明していきます。

営業所技術者等についても、資格だけでは要件を満たせず実務経験によって申請するケースでは、必要な年数について建設工事の実務経験を証明しなければならない場合があります。

古い工事請負契約書、注文書、請求書、入金資料、確定申告書、登記事項証明書、過去の建設業許可資料など、ケースによって必要となる資料は異なります。

そのため、

「要件は満たしているはずなのに、行政に提出できる証拠がない」

という問題が実際に発生します。

行政書士に依頼するメリット① 最初に「許可が取れるか」を判断できる

建設業許可を行政書士に依頼する大きなメリットは、申請書作成の前に許可要件を確認できることです。

例えば、

「社長の経験で常勤役員等の要件を満たせるか」

「この国家資格で希望する業種の営業所技術者等になれるか」

「資格がない場合、実務経験で証明できるか」

「500万円以上の自己資本がないが一般建設業許可を取れるか」

「営業所として使用している自宅でも申請できるか」

などを先に整理します。

建設業許可では、何十枚も資料を集めた後に要件を満たしていないことが判明すると、それまでに費やした時間が無駄になってしまいます。

そのため、最初の要件診断が非常に重要です。

行政書士に依頼するメリット② 証明方法を設計できる

建設業許可申請では、

「何を証明する必要があるか」

だけではなく、

「何を使って証明するか」

が重要です。

特に過去の経営経験・実務経験については、会社ごとに保管している資料が違います。

「昔の契約書がない」

「過去に勤務していた会社がなくなっている」

「注文書はあるが請求書がない」

「過去の建設業許可申請書が残っていない」

など、実務ではさまざまなケースがあります。

建設業許可を専門的に扱う行政書士であれば、手元にある資料を確認したうえで、どの資料を組み合わせれば証明できる可能性があるのかを検討できます。

ここは単純な申請書作成代行とは大きく異なる部分です。

行政書士に依頼するメリット③ 本業に使う時間を減らさずに済む

自社申請で見落とされやすいのが「時間」というコストです。

建設業許可について調べ、

必要書類を確認し、

社内資料を探し、

役所や関係機関から証明書を取得し、

申請書を作成し、

不足資料を追加し、

行政庁からの補正に対応する。

これらを経営者自身が行えば、かなりの時間が必要になります。

行政書士報酬だけを比較すると自社申請の方が安く見えますが、経営者や従業員の人件費・時間まで含めて考える必要があります。

特に経営者が現場や営業を兼務している建設会社では、許可申請に何日も時間を使うより、本業に集中した方が合理的な場合があります。

行政書士に依頼するメリット④ 行政庁との補正対応を任せられる

建設業許可では、提出後に行政庁から確認や補正を求められることがあります。

特に、

  • 過去の経営経験
  • 実務経験
  • 常勤性
  • 営業所の実態
  • 財産要件
  • 社会保険
  • 他社との兼職

など、通常とは異なる事情がある申請では事前確認が重要になります。

行政書士へ依頼することで、行政庁とのやり取りを含めて申請手続きを進められる点もメリットです。

「行政書士に頼めば必ず許可が取れる」わけではない

一方で、注意していただきたい点もあります。

行政書士へ依頼したからといって、要件を満たしていない会社が建設業許可を取得できるわけではありません。

行政書士ができるのは、

要件を正確に確認し、事実に基づいて適切な証明方法を検討し、申請を円滑に進めることです。

存在しない経営経験や実務経験を作ったり、実際には勤務していない人を常勤者として申請したりすることは当然できません。

むしろ専門家へ早めに相談するメリットは、現時点で許可取得が難しい場合にも、

「何が不足しているのか」

「資格を取得すれば解決するのか」

「どのような経験を積む必要があるのか」

など、将来の許可取得に向けた道筋を整理できることにあります。

建設業許可は取得した後の管理も重要

建設業許可は、許可通知書を受け取ったら終わりではありません。

許可取得後も、原則として毎事業年度終了後に**決算変更届(決算報告)**を提出する必要があります。

さらに、

  • 商号・名称
  • 営業所
  • 資本金
  • 役員
  • 常勤役員等
  • 営業所技術者等

などに変更が生じた場合には、その内容に応じて変更届等が必要になります。

建設業許可自体にも有効期間があり、5年ごとに更新申請が必要です。

更新期限を過ぎて許可が失効してしまえば、原則として新規許可を取り直すことになります。

「役所から更新のお知らせが来るから大丈夫」は危険

旧記事では「更新の必要が生じる数か月前には通知が来るのが一般的」としていましたが、ここは削除します。

建設業許可の有効期限は、建設業者自身が管理することが基本です。

行政庁から何らかの案内が来ることを前提に更新期限を管理するべきではありません。

特に建設業許可を事業上必須としている会社では、許可切れが事業に与える影響が非常に大きいため、更新期限を確実に管理する必要があります。

行政書士へ継続的に依頼することで、毎年の決算変更届から5年ごとの更新まで一体的に管理することも可能です。

建設業許可を自分で申請するのがおすすめのケース

次のようなケースでは、自社申請も十分検討できます。

  • 建設業許可制度について社内に詳しい担当者がいる
  • 常勤役員等の要件が明確である
  • 営業所技術者等が国家資格を持っている
  • 過去の経験証明がほとんど必要ない
  • 必要資料がすでに整理されている
  • 申請書作成や行政庁とのやり取りに時間を使える

反対に、経験証明が複雑なケースや、許可要件を満たしているか判断できないケースでは、最初から専門家へ相談した方が結果的に早いことがあります。

行政書士への依頼をおすすめするケース

特に行政書士への相談をおすすめしたいのは、

  • 初めて建設業許可を取得する
  • 常勤役員等の経験証明が複雑
  • 営業所技術者等を実務経験で証明したい
  • 過去に勤務していた会社での経験を使用したい
  • 過去の会社が廃業・解散している
  • 複数業種の許可を同時に取得したい
  • 一般建設業と特定建設業のどちらが必要かわからない
  • 知事許可と大臣許可の判断が難しい
  • 営業所が複数ある
  • なるべく早く申請したい
  • 経営事項審査や入札参加資格申請まで予定している

といったケースです。

建設業許可は、会社によって難易度が大きく異なります。

「他社がこの書類で取れたから、自社も同じ書類で取れる」とは限らないところが難しい点です。

建設業許可を行政書士に依頼する費用だけで選ぶべき?

行政書士へ建設業許可申請を依頼する場合、当然ながら行政書士報酬が発生します。

さらに、行政庁へ納付する申請手数料等も必要です。

ただし、行政書士事務所を選ぶ際には、単純に「一番安いところ」という基準だけで決めることはおすすめしません。

特に新規許可では、

許可要件の診断 → 必要資料の判断 → 経験証明 → 申請 → 補正対応

まで対応できるかが重要です。

見積りを比較するときは、「申請書を作成するだけの料金なのか」「経験証明や行政庁との対応まで含まれているのか」まで確認するとよいでしょう。

建設業許可を行政書士に依頼する最大のメリット

行政書士に建設業許可を依頼する最大のメリットは、単に「書類を書いてもらえること」ではありません。

許可要件を確認し、その会社に合わせて証明方法を組み立て、許可申請を進められることにあります。

建設業許可では、

「許可を取れると思っていたのに常勤役員等の経験が足りなかった」

「資格はあるが取得したい業種に対応していなかった」

「10年分の実務経験を証明できなかった」

「申請直前になって必要資料がないことが分かった」

といった問題が起こることがあります。

だからこそ、建設業許可取得を予定している場合には、実際の申請時期よりも早めに要件を確認しておくことが重要です。

建設業許可なら行政書士法人Deeへ

行政書士法人Deeでは、建設業許可を専門分野の一つとして、新規許可、更新、業種追加、決算変更届、経営事項審査、入札参加資格申請などをサポートしています。

建設業許可は会社ごとに、

「誰を常勤役員等にするか」
「誰を営業所技術者等にするか」
「何業種の許可を取得できるか」
「その経験を何の資料で証明するか」

が異なります。

「そもそも自社が建設業許可を取れるのかわからない」という段階からでもご相談いただけます。

自社申請で途中まで進めたものの、経験証明や必要書類で行き詰まってしまった場合もご相談ください。