実務経験証明方法の自治体によっての違い

投稿日:2023/10/29

最終更新日:2024/10/05

建設業許可を取得するの難問の一つに、常勤役員等・専任技術者の実務経験証明が挙げられます。常勤役員等、専任技術者の実務経験証明はケースによっては、素人の方では申請まで持っていくのは至難の業と言えるほど難しくなることも。実際に行政に証明方法を聞きに行った業者様が職員から「行政書士に頼まないと無理だと思いますよ。」と門前払いされたことがあると伺ったことがあります。

自治体ごとのローカルルールの存在

この実務経験証明は自治体によって証明方法が異なります。

関東のケースでお話しすると、東京都・埼玉県は単純に書類量が多くなりがちです。

具体的に準備する書類としては、契約書・注文書・請求書等を各書類の発行期間3か月未満でつなげていき、常勤役員だと5年分、専任技術者だと10年分揃えます。さらにケースにより通帳の写し又は原本を提出。それに加え当該期間にその常勤役員等、専任技術者が常勤性を持って在籍していた資料を提出します。少し前までは東京都の証明においては、1月に1契約書・注文書・請求書等などを必要としていたので、申請書類一式を小さめのスーツケースで持っていくこともありました。

比較して、東京都・埼玉県以外の他県は契約書・注文書・請求書等(請求書が許されない自治体も多い。また通帳写しの提出についても自治体による。)を年に1セットで良しとされるところがほとんどです。しかし、各県の申請の手引きはわかりづらく要件が記載されており、行政に確認するも誤回答が返ってくることもざらにありますので、よくよく調べないと思わぬ落とし穴に落ちることもあります。例えば、山梨県の場合、経営管理責任者の実務経験書類としいて契約書・注文書・請求書等+通帳写しを年に1セットで良しとされますが、専任技術者の実務経験証明書類としては1か月に1セットが必要となるなど、行政書士ですらひっかかりそうなローカルルールも多く存在します。

実務経験書類に添付する入金通帳や補完資料について

多くの自治体で共通することですが、契約書・注文書・請求書等に関する通帳の入金履歴を求められた際に、入金が複数の工事でまとまっていた場合、関わる全ての契約書・注文書・請求書等を提出する必要があったり、契約書・注文書・請求書等の内容から工事内容を読み取れない場合は補完資料としての見積書等の提出を求められたりなどで、書類量が驚くほどに膨れ上がるケースは珍しくありません。

この補完資料については、例えば10年分の契約書・注文書・請求書等がすべて同取引先での同内容のケースの場合は、例として東京都のように、サンプルとして契約書・注文書・請求書等に1つだけを補完資料として付けるだけで当該10年すべて良しとされる自治体もありますが、当該10年分の契約書・注文書・請求書等の「すべてに」しっかりと補完資料をつけてくださいね、と求められるケースの方が多い印象です。

また、契約書・注文書・請求書等の入金金額について、例として埼玉県のように、数割程度の金額がずれていていても良しとされる自治体もありますが、千葉県のように金額ずれを数千円単位でも許さないといった自治体も存在するため中が注意が必要です。

また、契約書・注文書・請求書等の入金金額について、例として埼玉県のように、数割程度の金額がずれていていても良しとされる自治体もありますが、千葉県のように金額ずれを数千円単位でも許さないといった自治体も存在するため注意が必要です。

実務経験証明はとても難しい作業になることは珍しくありません。
お困りの方はぜひ専門家に一度ご相談してみてください。

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執筆者

行政書士法人Dee 代表行政書士 道原信治

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